平昌冬季五輪、朝鮮半島緊張緩和への糸口となるか

韓国で開幕する平昌冬季五輪の会場(2017年12月28日撮影)。(c)AFP PHOTO / Yelim LEE〔AFPBB News

 平昌(ピョンチャン)冬季五輪開幕まであと2週間。韓国内では、北朝鮮の突然の参加で大きな話題になっている。その一方で、前の前の政権である李明博(イ・ミョンパク=1941年生)元大統領周辺への捜査も急ピッチで進んでいる。

 「開幕式に安倍晋三首相が参加するのは、良い知らせだ。韓国でも、歴代大統領が揃って姿を見せて国家的行事に団結した姿を見せられないものか・・・」

 2018年1月24日、安倍首相の開幕式参加のニュースを見ながら、韓国紙デスクはこうつぶやいた。

4強首脳は誰も来ないの?

 「平昌五輪に、4強からは誰も首脳が来ないのか・・・」

 韓国内では、米国、中国、ロシア、日本の首脳が誰も開幕式に参加しない可能性について懸念の声が強かった。

 米国は早々に、マイク・ペンス副大統領の派遣を決めた。中国の周近平主席は、文在寅(ムン・ジェイン=1953年生)大統領から直接、参加を求められたが、開幕式には共産党序列7位の政治局常務委員の派遣を決めた。

 ロシアは、ドーピング問題で国家代表団が参加できない状況で、ウラジーミル・プーチン大統領が参加する可能性はほとんどない。

 そんな中で、慰安婦合意を巡る韓国政府の措置に反発する安倍首相がどういう判断するのかは関心事だった。参加を決めたことを、韓国政府も産業界も歓迎している。

 そんな中で、もう1つ韓国で静かな話題になっているのが、「歴代大統領」だ。

 五輪開催はめったにある行事ではない。韓国開催も1988年のソウル五輪以来30年ぶりだ。前職大統領が晴れの舞台である開幕式に姿を見せてもおかしくはないが、これが簡単ではない。