ビットコインでISに1700万円送金、女を起訴 米

仮想通貨ビットコインのメダル。(c)AFP/Karen BLEIER〔AFPBB News

 2018年は世界史的にみて非常に大きな節目になる可能性があるように思います。その典型的な端緒として、今回は1月1日にエジプトのイスラム最高指導者、シャウキ・アラム師が発した宗教令「ファトワ」を検討してみたいと思います。

 アラム師は「ビットコインはイスラム法に照らしてタブー、禁忌である」との規定を「ファトワ」として発令しました。

 ブロックチェーンと原理的なイスラムという、一見すると先端と保守の最たる両極端のようなこの組み合わせに、大きな秘密が隠されているように思うのです。

なぜビットコインはイスラム法に照らして禁止されるのか?

 今回のファトワは、「イスラムにも建前と本音があるのだな」と痛感させられる、興味深い背景が見て取れます。

 アラム師はイスラム法に照らしてのビットコインの不当性を、リスクが高く価値の予測が困難」として、基本聖典「コーラン」に照らしてタブーである、と根拠づけています。

 対応するコーランの詞章を参照してみましょう。

コーラン 第5章:食卓章 第90節―91節

90.あなたがた、信仰する者よ、誠に酒と賭け矢、偶像と占い矢は、忌み嫌われる悪魔の業です。これらを避けなさい。恐らくあなたがたは成功するでしょう。

91.悪魔の望むところは、酒と賭け矢によってあなたがたの間に敵意と憎悪を起こさせ、あなたがたがアッラーを念じ礼拝するのを捧げるのを妨げようとすることです。それでも、あなたがたは慎しまないのですか?

 ここでコーランは「飲酒」と「賭博」とを並べ、いずれも「信仰集団の中に敵意と憎悪を起こさせ」「アッラーを念じ、礼拝するのを妨げる」として禁止している。