(英エコノミスト誌 2018年1月13日号)

対北朝鮮制裁を台無しに、トランプ米大統領がロシアを非難

米首都ワシントンのホワイトハウスで行われた閣議で発言する、ドナルド・トランプ大統領(2017年11月20日撮影)。(c)AFP PHOTO / SAUL LOEB〔AFPBB News

本当にそこまでひどいのか?

 ドナルド・トランプ氏が米国の大統領に就任してほぼ1年になる。これまでのいろいろな出来事を解釈するには、まず自分のほおをつねり、夢まぼろしではないことを確かめておかねばならない。

 ホワイトハウスのゴシップを集めたマイケル・ウォルフ著『炎と怒り』は、トランプ政権1周年を歓迎するというよりはその顔面にパンチを食らわせることになった。

 自由主義世界のリーダーである大統領はこの本で、自分の部下からもこの地位には不向きと見なされたうえに、とてつもなく自分勝手なお子さま皇帝として描かれている。

 米国は今、大統領は正気かという議論で持ちきりだ。

 トランプ氏は自分自身を抑え切れないのか、ツイッターで自分は「非常に(精神の)安定した天才」だと誇らしげに語ったり、北朝鮮を脅す際に自分が持つ核のボタンの大きさを自慢したりして、炎上騒ぎをさらに大きくしている。

 トランプ・ウオッチングは一度始めるとくせになる。やましさを感じながら、怖いもの見たさから大統領の次のツイートを待ったことがある人は、筆者だけではあるまい。

 非常に重い責任を負っていること、そして大統領という仕事にあまりにも不向きであることから、トランプ氏の人物像に注目するのはもっともなことであり、必要なことでもある。

 しかし、それだけではいけない。大統領としてのこれまでの仕事ぶりの記録としては不十分であるうえに、本質から目をそらしてしまう危険もある。