French President Emmanuel Macron comforts a relative of victim near the Bataclan concert venue during a ceremony marking the second anniversary of the Paris attacks of November 2015 in which 130 people were killed, in Paris, on November 13, 2017./AFP PHOTO/Etienne LAURENT

 私は経営心理士として企業の経営を数字と心理的側面から分析して経営改善を行うコンサルティングを行っている。経営コンサルティングをしていて、経営がよくなる会社となかなか変わらない会社がある。

 両者の違いの1つが、経営者が自らの感情を克服できるかどうかということである。部下に日頃の感謝を伝えた方がいいと思っていても照れくさくて伝えられない。

 部下を叱らなければいけないと思っていても恐くて叱れない。会社の将来を考えると重要なことだと分かっているが、面倒くさくてずっと後回しになっている。

照れくさい、面倒くさいが経営の大敵

 こういった照れくさい、恐い、面倒くさいという感情が邪魔をして経営のパフォーマンスを下げている。

 この感情が経営のパフォーマンスをどれだけ下げているか、それはもしこの感情が存在しなかった場合をイメージしていただくとお分かりになるだろう。

 頭ではやった方がいいことは分かっている。でも、感情が邪魔をして実行に移せない。そのような状況にあっては、どんなに良いヒントやアイディアを得たとしても、現状は変わることはない。

 これは経営に限った話ではない。

 本を読んだり、セミナーを受けたり、こういった記事を読んだりして、「これはすごい!」という知識を得たとしても、それをいざ実行に移すとなると、面倒くさい、照れくさい、恐い、といった感情が邪魔をして実行に移せなければ、現状は変わらない。

 この「頭では分かっているが感情が言うことを聞かない」という状態に悩まされて自らの可能性を潰している人がどれだけいるだろうか。

 知性を司る脳の部分と感情を司る脳の部分とは異なる。そのため、こういった葛藤が生まれる。