(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年12月20日付)

世界の富、金融危機以降で27%増大 格差は広がる

米マイアミで、当時起きていた住宅市場の危機など感じさせないかのような建設作業の風景(2008年1月2日撮影、資料写真)。(c)AFP/JUAN CASTRO OLIVERA〔AFPBB News

 1980年から2016年にかけて米国、カナダおよび西欧で実現した実質所得増加分の合計額のうち、28%は最も所得が多い上位1%の人々の懐に収まり、最も所得が少ない下位50%の人々の取り分は全体の9%にすぎなかった。

 しかし、この合計額のデータには大きな違いが隠れている。

 西欧では、最上位1%の取り分と最下位の「わずか」51%の取り分が同じだ。だが、北米では、最上位1%の取り分と最下位88%の取り分が同じなのだ。

 この驚愕すべき事実から分かるのは、人口全体の経済厚生の改善度を見る際には、全体の成長を見てもごく限られたことしか分からないということ。中でも、米国の場合はほとんど何も分からないということだ。

 この衝撃的なデータは、世界不平等研究所(WIL)が先日公表した「世界不平等報告2018」から引いた。大局的に見れば、国家間の不平等が縮小する一方で、各国内の不平等は拡大している。

 しかし、国内における不平等はどの国でも同程度に進んだわけではない。

 この報告によれば、「1980年以降、所得格差は北米とアジアで急速に拡大し、欧州でも小幅に拡大している。中東、サハラ以南のアフリカ、およびブラジルでは極めて高い水準で安定している」

 また、第2次世界大戦後には西側諸国における最上位1%のシェアは比較的低く、少なくとも大戦前に比べれば低かった。だが、その後、このシェアは英語圏(特に米国)で急上昇する一方、フランス、ドイツ、イタリアではほとんど上昇していないという。