長くICTにかかわってきた読者はこのシステム構成を見て、1990年代末から2000年代にかけて話題のキーワードだった「ユビキタスネットワーク」を思い出すのではないだろうか。ユビキタスネットワークで描かれたのは、あらゆるモノがコンピューティングと通信の機能を持ち、ネットワークにつながる世界。その後、機器と機器がつながる「M2M(Machine to Machine)」などへと切り口を変えてきた。

 残念ながら、ユビキタスネットワークが話題になった頃から20年ほど経った現在まで、爆発的に社会に広がり定着した無線センサーネットワークの実用例は多くない。どちらかというと「話題性のわりには期待外れ」の状態がしばらく続いていた。

 そんな状況を今度こそブレークスルーできるのではないか。IoTとLPWAの注目度が高まっているのはそのためである。IoTは2022年に200兆円の大市場に成長すると予測されている。一方のLPWAはIoT普及の起爆剤になり、2018年以降、年率20%以上のペースで市場が成長すると見られている。

日本のLPWA時代の幕が開く

 これまでにも数々の通信技術が無線センサーネットワークの構築に利用されてきたが、LPWAが従来の技術と大きく違うのは、消費電力が低いのにデータ通信距離が長い点だ。最近のスマートフォンがほぼ標準で搭載している近距離無線通信「Bluetooth」と遜色ない低消費電力でありながら、数キロメートル以上離れた地点間でデータ通信ができる(図2)。

図2 通信技術におけるLPWAの位置づけ