ファリハ・エネルギー相のスピーチと「協力宣言」を読み比べて筆者が気づくことは、次のようなことだ。

■ファリハが求めた、協調減産を有効な手段とするために「協力を組織的なものにする」ことについては端緒についたばかりで、「協力宣言」には「協力強化」としか折り込めなかった。ところで、エジプトとトルクメニスタンのオブザーバー参加はどのような経緯で決まったのだろうか?

■心配されている、価格が回復するとシェールの増産を招く、というリスクについては、「協力宣言」で「主に供給面で」「不確実性が存在する」と指摘し、6月に見直す可能性を織り込んでいる。

■非OPECの減産については、今回も「自発的または管理された下落により」と記載しており、逃げ道を用意している。

「常識」の見直しが必要に

 さて、と。

 当面、市場の動きで注視すべきは、WTIのバクワデーション(先安)が本物かどうかを見極めることが1つだろう。

 バクワデーションとは、現物市場がタイトであることの証左だからだ。だが、今回のバクワデーション化は、カナダから米南部につながるキーストーン・パイプラインが漏油問題で一部送油停止になっていたことが直接の原因である。であれば、漏油問題が解決し、送油が再開された後でも、バクワデーションが継続するかどうか。

 また、バクワデーションが本物の場合には、むしろシェールオイルの増産が起こりにくいことにも留意が必要だ。ヘッジが機能しにくいからだ。

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