協調「遵守」の必要性を説く

 ファリハ・エネルギー相のスピーチで気になったポイントは次のとおりだ。

■非OPEC産油国のオブザーバーとして、エジプトとトルクメニスタンの代表が同席している(彼らは協調減産の当事国ではない)。

■今年1月からの協調減産により、過剰在庫の解消が進んでいる。(在庫評価の目安としている)OECD在庫の過去5年平均対比は、5月の+2億8000万バレルからほぼ半減し、現状+1億4000万バレルになっている。(トレーダーがコンタンゴ=逆ザヤ=オペレーションで利益確保を狙った)洋上在庫も、6月から約5000万バレル減少している。世界的に原油も石油製品も在庫は減少しており、石油製品はすでに過去5年平均値になっている。

■先物市場は、ブレント原油もWTI(ニューヨーク原油先物)もバクワデーション(先安)に構造変化した。2014年以来、初めてのことで、リバランス(需給が均衡に向かうこと)が進捗していることを示している(ちょうど1年前に協調減産に合意したとき、初めてコンタンゴ(先高)が薄れ、先物曲線がフラット化の様相を示し始めていた)。

■まだ十分でない産油国もあるが、OPEC12カ国の減産順守率は高く、OPECとしての信用力(credibility)は強化された。

■だが(リバランスは)まだ道半ばだ。季節要因で2018年の第2四半期までは需要が落ち込むので、慎重な対応が必要だ。

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■経済は順調で、IMF(国際通貨基金)によれば、世界のGDP(国内総生産)は2017年プラス3.6%、2018年プラス3.7%成長する見込みで、石油需要も2017年、2018年とも日量150万バレルほど増加する見通しだ。

■だが歴史的に、目的達成が見えてくると、コミットメントを放棄する傾向にあるため、関係国はコミットを遵守することが必要だ。そのためにも、OPEC・非OPECの協力を組織的なものにする必要がある。

非OPECの「逃げ道」を用意した合意

「協力宣言」は、3分の2が「Recalling」「Taking into account」「Noting」「Recognising」「Convinced」などから始まる13項目の現状再確認であり、残りの3分の1が、8項目のOPEC・非OPECの合意事項となっている。

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