同時に、黒海の海底を走る延長940キロ、総工費130億ドルの「トルコストリーム」を建設しており、バルト海を越えてドイツにつながる115億ドル規模の「ノルドストリーム2」の建設にも着手した。

 一般的には、ガスプロムはこうしたパイプライン建設費用を、ガスの輸出先となる顧客と分担しようとする。

 だが、ロシアによるクリミア併合後に同社に科された2014年の米国の制裁と、「エネルギー輸出パイプライン」に的を絞った今夏の追加制裁により、西側の銀行や企業が資金を拠出できるかどうか疑問が生じている。

 その結果、ガスプロムが費用を全額負担する可能性が出てきた。

 同社は以前、キャッシュフローが悪影響を受けるリスクがあったとしてもパイプライン建設を賄う手段があると確約していたにもかかわらず、11月になって、制裁ですべての輸出パイプラインが危険にさらされていると述べた。

 ロシアの大手銀行VTBキャピタルは11月末に顧客に宛てたメモで、「パワー・オブ・シベリアやトルコストリーム、ノルドストリーム2といった資本集約型のインフラプロジェクトへの関与はおそらく・・・ガスプロムの将来のフリーキャッシュフローを圧迫すると見ている」と書いている。

 ミレル氏は、支出の急増は今後2年ほどは増配の可能性が消えたことを意味していると語った。