(英エコノミスト誌 2017年11月25日号)

 欧州大手20行、利益の4分の1を租税回避地で計上 NGOが報告書

ユーロ紙幣。(c)AFP/THOMAS COEX〔AFPBB News

相続した資産に課税すべきだとする議論には説得力がある。

 多くの人に好かれる税など、この世の中には存在しない。

 しかし、その中でも特に嫌われている税がある。英国人や米国人の間では、相続税は公正さが最も低い税だと見なされるのが常だ。

 この敵意は、所得水準とは関係がない。実際、複数の世論調査によれば、相続税と遺産税(前者は遺産を相続する人に、後者は遺産自体に課される)への反感は、裕福な階層よりも貧しい階層の方が強くなっている。

 政治家には、票になるものとならないものを嗅ぎ分ける力がある。

 米国では、成人の遺産が課税対象になる可能性が、1960年代に比べて95%も低下している。しかも共和党はこの流れをさらに推し進めたがっており、連邦議会下院は先日、「死亡税」を2025年までに全廃する税制改革法案を可決した。

 英国では第2次世界大戦前、所得税を課されることよりも死亡時に相続税を課されることの方が多い時期があったが、今日では、相続税の課税対象になるのは相続件数全体の5%にも満たない。

 アングロサクソンだけではない。経済協力開発機構(OECD)加盟国では、政府の歳入全体に占める相続税・遺産税収入の割合が1960年代以降急低下している。

 OECD非加盟国の間でも、同じ傾向をたどっている国は少なくない。また2004年には、平等主義のスウェーデンまでもが相続税の全廃を決めている。