実際、中国の化粧品市場では欧米や日韓系のブランド化粧品の消費が多く、先進各国では15%程度あるとされるローカルブランドのシェアが中国ではわずか2%程度に過ぎないと分析されています。

 特に近年は日系、韓国系ブランドの化粧品が「同じ東洋人向け製品なので肌に合いやすい」と支持を得ています。筆者も周囲の中国人女性から話を聞く限り、これらの日系、韓国系のブランド化粧品を常用しているという人が多いようです。

流行の韓国、ブランド力の日本、製造の中国

 こうした中国市場における各国の化粧品ブランドの特徴と勢力図について、業界関係者のM氏(日本人)に話を聞いてみました。

 M氏によると、まず中国での販売量は韓国系ブランドが日系ブランドを上回っており、最も普及しているそうです。韓国系ブランドが普及する背景には、「流行を作るマーケティングがうまい」ことがあるといいます。その一例として、中国で最近流行している、パフにリキッドファンデーションを染み込ませた「エアクッションファンデーション」を挙げてくれました。この商品形態は韓国系ブランドが編み出し流行させたものだそうです。

 一方、日系ブランドは「販売量では韓国系ブランドに劣っているものの、ブランド力は高く、中・高価格帯での支持は高い」そうです。その要因としては、広告や体験店舗、製品包装などによって高級感を高める方法に日系ブランドは長けており、所得に余裕のある女性ほど日系ブランドを支持しやすい傾向があるといいます。

 また、中国ローカルブランドの動向について聞くと、M氏は「流行作りやブランド力に関してはともかく、生産能力や技術は侮れないレベルに達している」と教えてくれました。

 メーカーの名前はなかなか表に出てきませんが、中国の多くの化粧品工場では、日系、欧米系の有名ブランド化粧品のOEM生産を既に手掛けており、ローコストで生産する運営力と相まって高い生産能力を有しているとのことです。