3.3 統一朝鮮の台頭

 長期的には以下の統一シナリオが考えられる。

・韓国主導での統一:

(1)韓国が自ら対北核抑止力を保有し、日米との友好関係も維持しつつ北と長期に対峙し、優勢な経済力、技術力、自由で開かれた社会の強みを生かし北の内部崩壊を促し、政治統合を果たす場合

(2)(1)と同様だが、ナショナリズムが高まり、日米との関係が悪化する場合

(3)(1)と同様だが、民族問題、領土問題を巡り中国との関係が悪化し紛争に至る場合

・北朝鮮主導での統一:

(1)韓国併合後その経済力、人口、技術力を全面動員し、核ミサイルを持った強大な軍事独裁大国を建設し周辺国を威嚇し覇権拡大へ

(2)覇権拡大が対馬海峡に向かい日本と紛争が起きる場合

(3)覇権拡大が中国に向かい中朝紛争が起きる場合

 韓国が独自の核抑止力を保持し、北の核恫喝に屈することがなければ、韓国は長期的に経済、社会の発展成熟の優位性を生かし、韓国主導の統一ができよう。しかし統一後のナショナリズムをコントロールできなければ、日本や中国と対立する可能性が高まる。

 南北を合わせた軍事力の強大さを考慮すれば、過剰な軍事的自信が対外的な冒険主義や軋轢につながるおそれは否定できない。

 日米中など関係大国との融和外交と適切な規模と能力の軍事力の保有に、統一後の韓国が進路をとるように周辺国が協力して誘導することが望ましい。

 その際に、関係大国が統一韓国の中立を保障し相互に干渉を控えることを保障する政治的外交的な枠組みの構築が必要となろう。

 北主導の統一もあり得るが、大量の難民が発生し、中国、米国、日本などに流入するおそれがある。

 武装難民も含まれる可能性が高く、各国の入国管理態勢強化と国内治安維持、難民受け入れ態勢整備が求められる。難民の保護、輸送、受け入れなどについての国際協力も必要になる。