北の核保有能力が力で奪われる場合は次のようなシナリオが考えられる。

(1)中露が介入し北を米韓と分割占領
(2)米韓軍が北上し大半を占領、中朝国境に緩衝地帯を創る
(3)米韓は北の一時占領後撤退、北の体制は温存

 米韓軍が休戦ラインを超えて北上した場合、北の体制崩壊に至る前に中露は介入する可能性が高い。しかし両国とも米軍との直接の戦闘は核戦争にエスカレートする恐れがあり、あくまで回避しようとするであろう。

 北朝鮮の核弾頭、核関連施設、弾道ミサイル、化学兵器などの接収も米中露の共通した狙いであろう。

 これらの必要から、米国と中露は米軍が行動するに先立ち、何らかの占領地域や接収責任区域などについて協議し了解に達している可能性が高い。米中、米露首脳会談でも重要議題になっているであろう。結果的に北朝鮮は分割占領されることになろう。

 その場合も、米韓の力の行使が迅速かつ圧倒的であれば、中朝国境沿いにわずかの非武装緩衝地帯を残し米韓が半島をほぼ全面占領することになろう。中露は難民の流入阻止のため国境沿いに軍を展開するであろう。

 米国の意図が体制転覆ではなく、北の核・化学・弾道ミサイルなどの能力を奪うことにあれば、一時的に占領しても目的達成後撤退する可能性もある。

 その場合、残された北の指導部は集団指導体制になり、米朝平和条約締結に向けた交渉も始まり、長期には韓国主導の半島統一に動くとみられる。