北が半島を統一すれば、現在の休戦ラインの南北対峙が対馬海峡で再燃することになる。しかも対峙する相手は人口7000万人の独裁体制下の核大国となる。

 今年の『防衛白書』によれば、南北朝鮮の地上兵力は北が102万人、南が49.5万人である。統一朝鮮の地上兵力の規模は縮軍をしても100万人は超え、予備役も少なくとも500~600万人の規模に上るであろう。

 独裁体制下で韓国の先端技術力が全面動員されれば、通常戦力の近代化、情報化も一気に進み、軍需産業の生産能力も質量ともに大幅に向上するとみられる。

 このような軍事大国に日本は第一線で対峙することになることを予期しなければならない。日米同盟が維持されても、日本の防衛態勢は現在の韓国に倍加するレベルに引き上げなければならなくなるであろう。

 統一朝鮮では徴兵制と全面動員態勢が維持強化されるとみられるが、少子化の中その軍事圧力に対抗するには、日本でも徴兵制をとらねばならなくなるであろう。

 韓国主導で統一がされても、日米との関係が悪化し、韓国が武装中立路線をとれば、統一朝鮮ほどにはならないかもしれないが、基本的には同様の対峙状況になる可能性がある。

 いずれにしても、日本と米国、台湾、欧州、豪州、インド、東南アジアなどとの軍事、外交面での協力関係も、今よりもさらに強化しなければならない。

 集団的自衛権の行使の在り方についても、より多くの国との多角的な協力関係を具体化し深化させねばならない。

 中朝が友好関係を維持すれば、日本への軍事的圧力は一層高まることになる。日本は南西正面と対馬海峡の2正面で、厳しい軍事的対峙状況に立たされることになる。

 しかし、中朝間には領土問題、民族問題もあり、対立要因を抱えている。この点に、中朝離間を図る余地があると言えよう。

 ロシアの中立的姿勢を維持するための外交努力も重要になる。極東ロシアの経済開発協力など何らかの妥協も必要になるかもしれない。