NTTドコモでは若手社員の育成をテーマにした「チャレンジプロジェクト」という制度を取り入れている。入社3年目の社員が顧客に価値を提供できるようなプロジェクトを自ら企画し、チャレンジする。そのなかから3年目の社員同士で優良事例を選び、2年目社員の前でプレゼンさせ、同時に表彰するのである。表彰式では受賞者がインタビューを受け、イントラネットの社内広報にも掲載しているそうだ。

 若手社員や学生アルバイトが多く働く外食産業のなかには、店舗単位、あるいは全店舗でさまざまなコンテストを開き、ゲーム感覚で技やサービスを競わせているところが増えている。そこでは大学のサークル活動の延長のようにみんなで盛り上がり、楽しみながら仕事をしている姿が見られる。さらに客から届いた声やアンケートの結果をもとに表彰するなど、客も巻き込んで店内に活気をもたらそうとしている会社もある。

 会社の手足となって働いているのは若手であり、彼らはいずれ幹部になるべき貴重な人材でもある。その潜在能力と意欲を引き出すには、自らが主役になれる「ハレの舞台」を用意してやることが大切だ。しかも、ここに紹介したような取り組みはほとんどコストがかからない。試行錯誤でもよいので、可能なものから取り入れてみてはどうだろう。