米上院、オバマケア暫定措置で超党派合意

米首都ワシントンの連邦議会議事堂でオバマケア廃止反対を訴える人たち(2017年5月4日撮影)。(c)AFP/NICHOLAS KAMM 〔AFPBB News

 ドナルド・トランプ氏(以下トランプ)が大統領に当選して1年が過ぎた。政権発足からほぼ10カ月が経ち、トランプの評価は分かれている。

 最新の支持率(ギャラップ調査)は38%という低さで、不支持率は56%。実はこの数字は今年5月からほとんど変化がない。下げ止まりしているとも考えられる。

 別の数字に目を向けると、共和党内でのトランプ支持率は依然として82%という高さがある。一方の民主党内での支持率はたった8%である。トランプをめぐって国が完全に分断されていると言って差し支えない。

オバマケアを撤廃できないトランプ

 共和党の8割を超える支持者たちは、トランプが暴言を吐こうが失言を繰り返そうが大統領を支持する姿勢を崩さない。不人気な政策を打ち出しても、一定層の保守派からトランプが見放されることは今後もないだろう。

 トランプ政権下の米経済は堅調な成長をみせ、株式相場も最高値を更新している。しかし、トランプは選挙前に掲げたほとんどの公約を実現できていない。

 その筆頭がオバマケア(国民皆保険)の撤廃である。撤廃すると言い続けてきたが、現在まで共和党が多数党であっても、連邦議会は撤廃できていない。

 今後、撤廃される可能性はある。

 2010年にバラク・オバマ大統領が法案に署名したことで、米国の「長年の夢」と言われた米国版の国民皆保険が成立。撤廃されれば膨大な市民が健康保険を失う。議会予算局(CBO)の試算では3200万人という数字だ。