Kindle開発の責任者だった人物がAmazon Booksを立ち上げ

 興味深いのは、ケセル氏の経歴だ。

 同氏は、これまで、アマゾンのデジタルコンテンツ(電子書籍や音楽配信)事業を統括したほか、電子書籍端末「Kindle」などのハードウエア製品の開発チームも率いた。

 2011年にタブレット端末「Fireタブレット」を市場投入した後、しばらく休職していたが、2015年に復帰すると、書籍販売の実店舗事業に取り組み、この年の11月、アマゾンは、Amazon Booksの1号店を、米ワシントン州シアトルにオープンした。

最新テクノロジーで店舗を改革

 また、ウォールストリート・ジャーナルによると、ケセル氏は前述したAmazon Go事業の幹部でもある。Amazon BooksとAmazon Goは、テクノロジーを駆使した店舗作りといった点で共通する。例えば、Amazon Booksでは、書籍の価格表示がなく、顧客はスマートフォンで商品バーコードをスキャンし、価格などの書籍情報を得る。これにより、アマゾンは顧客の購買行動などを分析している。

 一方、Amazon Goでは、自動運転車にも利用されている、コンピュータビジョン、ディープラーニング・アルゴリズム、センサーフュージョンといった技術を使い、買い物客がどの商品を手に取ったかを認識。自動で客の仮想ショッピングカートに商品を入れ、客が店から出ると、アマゾンアカウントで自動精算する。

 今回の報道に先立ち、「ホールフーズ・マーケットは、アマゾンの戦略や最新テクノロジーによって、販売形態が大きく変わる可能性があり、それを知るうえでヒントとなるのは、Amazon Booksだ」と、ウォールストリート・ジャーナルは伝えていた。

(参考・関連記事)「Amazon Booksに垣間見られる実店舗展開

 今後、ケセル氏が、実店舗に加え、Prime Now、AmazonFreshを統括することで、アマゾンの小売り分野における技術革新の動きが、加速するのかもしれない。