世論調査で先頭を走っているのはルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ元大統領だが、汚職の有罪判決を受けており、立候補できない可能性がある。

 世論調査の第2位はジャイール・ボウソナロ氏で、ドナルド・トランプ氏が穏健で自制心のある人物に見えてくるような右派の政治家だ。

 どちらも、ブラジルが今必要としている改革を実行することはないだろう。ルラ元大統領は信頼を失っているし、ボウソナロ氏はポピュリストの権威主義者だからだ。

 この2人に勝る候補者は存在するが、彼らを支援する声はまだ強くない。ブラジルのエマニュエル・マクロンは、どこにいるのだろうか。

 ごく短期の滞在であっても、ブラジルを訪れるときには現地の人々の温かさや文化のバイタリティーに感激せずにはいられない。しかし、この国は困難な時期に遭遇している。

 確かに、短期的な状況は少しだけ改善しつつある。だが、能力に見合う職に就けない人はあまりにも多く、経済はあまりにも脆弱で、政府はあまりにも腐敗しており、国家はあまりにもひどく食い物にされている。

 過去の歴史と最近の出来事がブラジル国民に告げているのはそういうことだ。

 ブラジルは政治と経済の両面で生まれ変わらなければならない。今回の危機で再生が不可欠になった。もし生まれ変わることができなければ、将来は暗いように思われる。

By Martin Wolf
 
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