ブラジルには包括的な経済・財政改革が必要だ。最も重要な経済改革としては、割合に閉鎖的な経済の開放、税制改革、労働市場改革、インフラへの投資増額、そして国民貯蓄率の引き上げを目指した政策などが挙げられる。

 最後に挙げた政策は財政改革とも結びついている。そしてその財政改革には、歳出を制御可能にするための、包括的な年金改革が必要不可欠だ。

 積立式の年金制度を導入すれば、国民貯蓄率が押し上げられるかもしれない。また、政府は公務員の数と給与水準を制御できる自由を持たなければならない。それができれば、ほかの分野に配分できる資源のゆとりが生まれるはずだ。

 必要性の高い改革を技術的な問題だと見なすのは間違いだろう。これらは高度に政治的な問題だ。国家や政治家、官僚の動き方を根こそぎ変えてしまうからだ。

 ブラジルのシステムは、汚職から正直さへ、不透明から透明へ、裁量から予測可能性へ、そして特権階級の世話から国民への奉仕へと切り替わらなければならない。

 汚職スキャンダル、少しずつ燃え広がっている財政危機、政府の歳出の非効率的なパターン、そして長期に及ぶ不景気などがブラジル国民に告げているのは、まさにそういうことなのだ。

 自由で民主的な社会においてはとりわけ、このような大胆な改革の実行には大変な困難が伴う。状況が短期的に改善しているときには、特にそうだ。

 また、窮地に陥っている現政権と中央銀行は、ブラジルに対する信頼の回復に向けてまずまずと言える仕事をしている(前者には意外感があるが、後者はそうでもない)。

 しかし、政治的な問題には政治的な解決策が必要だ。2018年に予定されている大統領選挙の前兆は芳しくない。