これは今日言うところのフェイク・ニュースであり、朝日が戦前・戦中、権力機構にいかに寄り添い、多くの日本人を死地に送り込んだかの証しでもある。だから、著作権を理由に、絶版に追い込んだとみられる。

 その朝日新聞は今や人権擁護、反戦反安保で護憲のエース格とみられている。慰安婦問題では意に反する強制連行をしたとして32年間も日本を難詰し続けてきた。

 しかし、「強制連行」がフェイクであることが分かると、「強制性」があったとする主張に替え、慰安婦像や慰安婦碑が世界に拡散する大本を作った。

 朝日は元記者の長谷川煕氏が言うように、共産党員でなければ朝日の記者に非ずといった雰囲気の中で読者を伸ばしてきた新聞であるから、当然の報道姿勢かもしれない。

 日本新聞協会は創立(昭和21年)に当って新聞倫理綱領を定めたが、環境が激変した中で21世紀にふさわしい規範として平成12(2000)年に新しい倫理綱領を制定した。

 新綱領の前文では「国民の『知る権利』は民主主義社会をささえる普遍の原理である。新聞はそれにもっともふさわしい担い手であり続けたい。新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果たすことである」(概要)と述べ、本文においては、「自由と責任」「正確と公正」「独立と寛容」「人権の尊重」「品格と節度」の5項目を掲げている。

 新聞の責務の大なることを綱領で謳いながら、正確でも公正でもなく、人権を蹂躙し、また日本の品格と日本人の名誉を貶めるフェイク・ニュースを流し続けることは、国家の崩壊につながりかねない重大事である。

都議選や倒閣に多用されたフェイク報道

 都議選時(今年7月)の小池百合子東京都知事は国政にも大きな影響をもたらす存在であった。そこで、安倍一強を好ましく思っていなかった多くのマスコミが小池氏の影響力の極大化に尽力したことは言うまでもない。

 小池氏が知事就任直後のあいさつ回りで、自民党の都議会議長に握手を拒否されたとする映像が流された。

 都議選で自民党が惨敗した翌日のTBS「ひるおび!」がこの映像を流し、キャスターがこうした態度が(自民党)惨敗の理由の1つだとして、「握手ぐらいすればよいのに」と嘲笑する。

 しかし、前出『正論』によると、ネット民の検証で、実際は握手をしていることが判明しており、「同番組は握手をする直前と直後の映像をつないで放映」したのだ。

 宮脇氏は「TBSの報道ぶりは酷すぎる」と批判しているが、これは「報道しない自由」ではなく「捏造」である。