かつて筆者は中国で月刊誌の編集を行っていたが、雑誌に掲載する地図は毎月当局の許可を得なければならなかった。近年はネット媒体での地図活用が増えているが、それに伴い管理がさらに強化される傾向にある。

 日本のある私立大学名誉教授は「日本人は地図に対する安全意識が低すぎる」と警鐘を鳴らす。「軍事機密のみならず資源地、要人の邸宅までが中国企業に情報として吸い上げられたら国防問題に関わる。ドローンで攻撃されればひとたまりもない」(同)。

「中国企業が一方的に外国(日本)の地図情報を手に入れるのはどうだろうか」という見方もある。中国でグーグルは地図提供のサービスができないためだ。

 現在、日本の主なタクシー会社は、ほとんどが自前のアプリで配車システムを組んでいる。やろうと思えば自前でできるのだ。それを「インバウンド」と「中国客へのサービス」の決まり文句で押し切ってしまって大丈夫なのだろうか。

 たとえ「白タク撲滅」の大義名分があったとしても、中国人観光客は安さを求めて結局白タクに流れるだろう。この“連携”はいい形で実現するのだろうか。引き続き展開を見守りたい。