(英エコノミスト誌 2017年10月28日号)

アップルが新本社併設の「スティーブ・ジョブズ・シアター」お披露目 米

米アップルの新本社「アップルパーク」に併設された「スティーブ・ジョブズ・シアター」。カリフォルニア州クパチーノにて(2017年9月12日撮影)。(c)AFP/Getty Images/Justin Sullivan〔AFPBB News

世界最大の時価総額を誇るアップルは、ゴールドマン・サックスの半分に匹敵する規模の金融部門を抱えている。

 このところ、ハイテク企業がいずれ金融サービス業界を征服すると指摘するのが流行している。しかし、アップルの場合、反対のことが起きており、金融部門がハイテク部門をひそかに追い抜きつつあるようだ。

 共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏が亡くなった2011年以降、株式時価総額で世界最大企業のアップルは、高性能のバイオニック・チップと知ったかぶり屋のデジタル・アシスタントを搭載した携帯電話端末を何億台も販売してきた。

 だが、その一方で金融事業も成長させており、その規模はすでに、いくつかの指標でゴールドマン・サックスの半分ほどに拡大している。

 アップルはグループ内の金融関連業務を1つの子会社に集約しているわけではないが、本誌エコノミストは今回、これを1つにまとめてみた。

 その結果――とりあえず「アップル・キャピタル」と呼んでおこう――、総資産は2620億ドルで、負債は1080億ドル、証券の取引額は2011年以降の累計で1兆6000億ドルに上るとの推計が得られた。

 アップル・キャピタルは非常に慎重に運営されている模様で、業績好調な企業の一部分だが、それでも精査してみる価値はある。

 過去には、金融部門のせいで傷を負った企業の例もある。ゼネラル・エレクトリック(GE)やゼネラル・モーターズ(GM)を思い浮かべてみるといい。

 アップル・キャピタルは多くの責任を担っているが、抜きん出て重要なものが3つある。