(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年10月20日付)

英首相のブレグジット交渉での「ぼっち」写真、ネットで物笑いの種に

英首相のブレグジット交渉での「ぼっち」写真、ネットで物笑いの種に。写真は欧州連合(EU)首脳会議が開かれたベルギー・ブリュッセルで、欧州理事会のドナルド・トゥスク常任議長(フレーム外)との英国のEU離脱に関する協議のテーブルに着いたテリーザ・メイ英首相(2017年10月20日撮影)。(c)AFP/Geert Vanden Wijngaert〔AFPBB News

 ブレグジット(英国の欧州連合=EU=離脱)交渉が失敗し、英国経済に唐突なショックを与え、近隣諸国との関係を台無しにする可能性は極めて高い。

 この見方は、もっと前向きにならなければならないと主張する向きから非難される。そのような非難は、ビルから飛び降りたばかりの人に向かって、前向きに考えさえすれば空を飛べただろうに、と助言するようなものだ。

 我々が今置かれている状況を理解するためには、これほど多くの離脱派の心をとらえて離さないゾンビ思想を理解する必要がある。

 最初のゾンビ思想は、移行の取り決めに進む前に(詳細ではないにせよ)離婚の大まかな条件を決めることにこだわることで、EUは理不尽な態度を取っているという考えだ。

 英国側の交渉責任者であるデビッド・デービスEU離脱担当相は英下院で、「彼らは我々からもっとお金を引き出せるかどうか見極めるために時間の制約を利用している。ありていに言って、今起きているのは、そういうことだ。誰が見ても明らかだ」とこぼした。

 確かに、その通りだ。だが、文句を言うのはやめた方がいい。強い当事者とは、そうするものだ。

 これと関係したゾンビ思想は、英国はEUに対して貿易赤字を出しているため、実は英国の方がEUよりも強い立場にある、という考えだ。

 だが、財の貿易でさえ、英国の対EU輸出は英国経済にとって、その反対より3倍も重要だ(英国の対EU輸出が国の国内総生産=GDP=に占める割合が7.5%なのに対し、EUの対英輸出は域内のGDP比2.5%にとどまる)。

 英国が抜けてもEUは世界第2位の経済であり、2016年の経済規模は市場価格で英国のほぼ6倍にのぼっている。英国はいわば経済的超大国を相手に交渉しているわけだ。