(英エコノミスト誌 2017年10月21日号)

テスラ車の死亡事故、自動運転システムが一因 米当局

テスラ「モデルS」。米カリフォルニア州ロサンゼルスで(2016年8月9日撮影)。(c)AFP/GETTY IMAGES/JUSTIN SULLIVAN〔AFPBB News

チェサピーク・エナジー、ネットフリックス、ネクステラ・エナジー、テスラ、ウーバーの「規格外」5社がこの10年間で出した損失は合計1000億ドルにものぼる。

 イヴ・サンローラン、レディー・ガガ、デビッド・ボウイ。世の中には、周囲の人とは異なるルールで行動する人がいる。同じことは企業にも言えるのだろうか。

 ほとんどの企業経営者は、自分は短期的な利益目標の奴隷になってしまったとこぼしている。しかし、オーソドックスなやり方に派手に逆らう向きが少数ながら存在する。電気自動車を製造するテスラについて考えてみるといい。

 テスラは今年、生産目標をまだ達成できておらず、フリーキャッシュフロー(企業が獲得した現金の額から設備投資を差し引いた金額)は18億ドルの赤字だ。それでも心配はいらない。

 創業者のイーロン・マスク氏が自動運転車や宇宙旅行について考えながら独り言を言っていれば、同社の株価はロケットのように上昇していくからだ(今年1月以来の上昇率は66%に達している)。

 テスラは、夢を追いかけて数十億ドルの赤字を出す許可を受けた一握りの企業の1社だ。その夢が実現する確率は、ポップスターやファッションデザイナーに憧れる若者が実際にそれになる確率とさほど変わらない。

 明日の利益のために今日投資を行う――。それが資本主義の真髄だ。

 ネット小売り大手のアマゾン・ドット・コムは、2012~2014年に40億ドルの赤字を出しながら帝国の建設にいそしみ、今日ではそこから利益を稼ぎ出している。とはいえ、大企業が単に事業を急拡大させるために多額の赤字を続けることは稀だ。

 例えば、ラッセル1000株価指数に組み入れられている米国の大企業を調べると、2016年にフリーキャッシュフローの赤字が10億ドルを超えた企業は25社しかなかった。

 割合で言うなら、全体の3.3%にすぎない(以下、すべての数字は金融業を除くベース。データはブルームバーグによる)。なお、この割合は2007年の実績値が1.4%で、1997年には1%にも満たなかった。