街の個性を都心が多く持つ強さ

 人が集まれば、その「場所=トポス」に物語性が生まれていきます。例えば、シリコンバレーならIT、ハリウッドなら映画といったような具合です。東京でも同様で、渋谷なら若者のカルチャー、クリエイティブのイメージ。下北沢は演劇や音楽の街、丸の内はビジネス街・・・多くの人が共通のイメージを持つはずです。

 こうした場所についてイメージしやすいことは、「場所=トポス」としての魅力を多く持っているともいえます。

 マーケティング用語で「純粋想起」という言葉があります。これは、製品カテゴリーなどの手がかりを与えられたとき、特定のブランドを思い起こせることです。例えば「ビールなら何を浮かべるか」と聞かれたときに特定のブランド名を再生できる状態を指します。

 ITの街といえば、世界的に多くの人がシリコンバレーを純粋想起するでしょう。こうした街には、人が集まりやすいのです。なぜなら、純粋想起の記憶の程度は強く、生活者の行動に影響を与えやすいからです。「いつかは●●に住みたい」と思っている人が多くいるエリアは、いずれその人たちを、そこへ近づけようとするのです。

 不動産投資やアパート経営でも、都心への志向であることや、純粋想起される街を意識すべきでしょう。都心への志向は、東京に限らず、名古屋や大阪、福岡など広く都市圏に言えることです。聞いたことのない街よりも、純粋想起できる街やその周辺エリアを投資先として考える立地戦略は、何よりも大切といえるでしょう。

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