本コラムは「SHINOKEN WAYS」の提供記事です

年収は「住むところ」で決まるという発想

 『年収は「住むところ」で決まる——雇用とイノベーションの都市経済学』(エンリコ・モレッティ著/プレジデント社)に、次のように書かれています。

 経済を構成する要素は互いに深く結びついているので、人的資本(技能や知識)に恵まれている働き手にとって好ましい材料は、同じ土地の人的資本に恵まれない人たちにも好ましい影響を及ぼす場合が多い。
 

 そして著者は、イノベーション産業や1人の科学者がその土地にいることで、多くの雇用が生まれ、発展していくと話します。つまり、いくらネットが進化しようが、優れた人たちは一つのところに集まり、さらにイノベーションを起こすようになる——彼らは高い報酬を受け取るようになり、彼らを相手にしたサービス産業や飲食業、不動産業などもますます栄えるようになるという好循環を生み出すというわけです。

 仕事が存在すれば、人は集まります。例えば美容師やタクシー運転手などもです。優秀な人材が集まるところには、地域レベルのサービス業で働く人たちにとっても魅力的であり、イノベーション産業が興れば、様々な形で雇用が増大するのです。しかも、年収の高い人たちに、優れたサービスを提供できる人は、彼自身の年収も引き上げます。例えば、飲食店のスタッフの時給や、美容師に支払うお金の差を考えればわかりやすいのではないでしょうか?

 冒頭に挙げたシリコンバレーなどは、そのいい例といってもいいでしょう。東京もまた、大小様々、多くの企業が存在し、新しい仕事が生まれ続けています。

 都心に住むということは、利便性だけではなく、収益性も期待できるということです。