(英エコノミスト誌 2017年10月14日号)

中国の習主席、トランプ氏に北朝鮮情勢で抑制求める グアムは防衛準備整う

AFPBB News

 中国や世界を良い方向に変えることを習近平氏に期待してはいけない。

 米国の大統領は中国のトップについて語る際、畏敬の念を表す言葉を用いるのが普通だ。こびへつらうリチャード・ニクソン氏は、毛沢東氏の論文や文章が「世界を変えた」と本人に直接語った。

 ジミー・カーター氏は鄧小平氏について、「聡明で、粘り強く、知的で、気さくで、勇敢で、人柄も良く、自信に満ちており、愛想もいい」と形容詞を並べてほめちぎった。

 ビル・クリントン氏は当時の江沢民国家主席を「先見の明がある」「並外れた知性の持ち主」と持ち上げた。

 現職のドナルド・トランプ大統領も負けてはいない。ワシントン・ポスト紙の引用によれば、トランプ氏は中国の現在の指導者・習近平氏について、過去1世紀における中国の指導者の中で「おそらく最も強い権力を持っている」と述べた。

 トランプ氏は正しいかもしれない。そして、もし米国大統領にとって次のような発言が政治的自殺行為でなかったら、「習近平は世界最強の指導者だ」ともっともらしく付け加えていたかもしれない。

 確かに、中国経済はまだ規模では米国に次ぐ第2位であり、軍事力は、急速に増強されているとはいえ米国より見劣りする。しかし、経済の大きさと軍隊のハードウエアがすべてではない。

 自由世界の現リーダーは、外国人には取引に基づく狭いアプローチを取っているうえに、国内では自分自身の政策を実行できないように見える。

 米国は今でも世界最強の国家だが、その今日の指導者は過去数十年のどの大統領よりも国内の立場が脆弱で、国際政治の舞台でも成果を上げられずにいる。