(4)貢献感を高める

 例えば、仕事の仕方のちょっとした工夫に反応してもらえる、改善アイデアが採用される、取り組む姿勢が評価されるなど、他者の役に立てている実感を持てる状態をつくる。

3.推進ファシリテーターの役割を担う

「推進ファシリテーター」とは、人事部メンバーや部門の推進リーダーなど、働き方改革を推進する立場を担う役割を指す。推進ファシリテーターに期待される役割は「促進者、指導者、管理者、体現者、同僚」の5つがある(図2)。「上司と部下」「本社と拠点」などヒエラルキーを感じる関係性において施策展開すると、一方がマネジャー(管理者)の役割に終始してしまう場合が出てくる。相手が動ける状態をつくるためには、管理者にとどまらない状態に応じた関わり方が大切になる。

図2 推進ファシリテーターに求められる5つの役割と関わり方のポイント
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「日常」は変えられる

 働き方改革では課題設定の可能性が広く、どこまで、誰が、何に取り組むかなど、人事部や職場のマネジャーもメンバーも悩みやすい。一方でお互いの状況は分からないことが多い。そのため、個々に悩むよりも横でのつながりが職場実践のヒントを与えてくれることもある。社内のマイノリティーとして働き方に制約を感じている人は、働き方改革の掛け声以前から生産性の高い働き方を目指して様々な工夫をしているので尋ねてみるとよい。

 また、目の前の改善レベルの取り組みが軌道に乗ったら、節目で振り返ってみることをお勧めする。そのときは、本来の目的に立ち返ること、これまでの働き方を意図的に自己否定してみることで、より本質的な改革課題を設定ができるようになるはずだ。