以下に、働き方改革の活動において自分事化を促すための働きかけを3つ挙げる。

1.個人やチームの理想とする働き方像を表現する

 部や課、チームの単位でこのようなテーマを話し合うことは、あまりないのではないだろうか。限られたメンバーでは行っているかもしれないが、業務上の立場や役割、プライベートの事情によって理想的な働き方像は異なるはずである。

 自分事化の第一歩は自分の状態を他者と共有できる状態をつくることであり、相互尊重できることだ。共有した上で、全社の方針と連動した取り組みについて話し合うことをお勧めする。

2.4つのきっかけで自分事化を促進する

 自分事化に影響を与える4つのポイントを挙げてみたい(図1)。これらは自分自身の状態をみるだけでなく、課やチームとして何かに取り組む際、他者の状態をみるときにも役立つ。

図1 自分事化に影響を与える4つのポイント

(1)有意味感を高める

 その人にとって、取り組む意味や、取り組むことによる効果は何か。立場や理想的な働き方との関連づけなどを、できるだけ相手が理解しやすい言葉で伝える。

(2)効力感を高める

 その人の経験や意欲に応じたスモールゴール、スモールステップを設定し、ストレッチする状態をつくる。

(3)自己決定感を高める

 取り組み方や優先順位など、すべて他人から決められて実行するのではなく、自分(たち)の意思が反映できるよう選択、決定できる状態にする。