プリウス誕生20年目となる2017年、トヨタは「EVの壁」にぶちあたった(資料写真、筆者撮影)

 まさか、こういった形で自動車産業の大変革が始まるとは──。

 2017年8月4日、トヨタとマツダが資本提携に関する記者会見を開き、連携する事業の1つとして電気自動車(EV)の共通プラットフォーム開発を挙げた。

 この事業連携を具現化したのが、9月末にトヨタ、マツダ、さらにトヨタ系部品メーカーであるデンソーの3社が共同で設立したEV開発企業「EV C.A. スピリット(Spirit)」だ。

 同社には、トヨタとの関係が深いダイハツ、スバル、さらにスズキが参画する可能性が高いとの情報が世の中を駆け巡っている。EVプラットフォームについては、フォルクスワーゲンやダイムラーなども量産計画を発表している。

 仮に、日系自動車メーカー各社が共同でEVを開発するとなると、これまでの自動車開発のあり方が大きく変わることになる。

 簡潔に表現すれば、『自動車の中身はどれも一緒で、違うのは外観だけ』になるということだ。

 EV C.A.スピリットの設立当初の株式構成は、9割をトヨタが占めている。その結果、「マツダ、ダイハツ、スバル、スズキのEVは、どれも中身はトヨタ」ということになるかもしれない。

「EV C.A. スピリット(Spirit)」の体制イメージ(出所:トヨタ)