サウジ、ロシアから地対空ミサイル「S-400」などの兵器を購入へ

ロシアの首都モスクワのクレムリンで会談するサウジアラビアのサルマン国王(左)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右、2017年10月5日撮影)。(c)AFP/SPUTNIK/Alexey NIKOLSKY〔AFPBB News

 8月末のハリケーン「ハービー」襲来以来、原油市場は強気ムードに転じ、9月26日に米WTI原油先物価格は1バレル=52ドルを突破した。だが、その後下落に転じ、10月4日には9月20日以来2週ぶりに節目の同50ドルを下回った(その後OPECなどが原油需要見通しを上方修正したことで原油価格は1バレル=51ドル台に上昇した)。

 価格下落の要因としては、ハリケーン襲来で操業停止していた製油所の稼働率が通常の水準に戻ったことに加え、米エネルギー省が10月4日に発表した9月最終週の米国の原油輸出量が日量平均198万バレルと前年比4.5倍になった(前週比同49万バレル増)ことのインパクトが大きかった(日量約200万バレルの原油輸出量はイランのそれとほぼ同じ規模である)。

「ハービー」襲来直前の米国の原油輸出量は日量平均100万バレル前後だったが、製油所停止による国内需要の減少と、WTI原油先物価格に比べブレント原油先物がバレル当たり6ドル以上も割高となっていたことで、欧州地域を中心に米国産原油の輸出が急拡大した。夏場のドライブシーズンの終了でガソリン需要が減少し、米国の原油需要量が減少し始めていることから、米国の原油輸出量はしばらくの間、高水準で推移する可能性がある。

 OPEC加盟11カ国の9月の減産量が日量平均104万バレルであるのに対し、直近2週間の米国の原油輸出量は日量平均106万バレル増加している(10月5日付ブルームバーグ)。これを受けて市場関係者の間からは、「OPECやロシアによる減産努力にもかかわらず、世界の原油供給が潤沢である」というため息が漏れた(10月5日付ロイター)。

 米国の原油輸入量も記録的な低水準となっている。米国の原油輸入量はこのところ日量平均約800万バレルの水準だったが、9月に入るとハリケーンの影響で同570万バレルと21世紀に入ってからの過去最低水準となり、9月末には同520万バレルにまで落ち込んだ。ハリケーンの影響が沈静化すれば原油輸入量は若干増加するだろうが、原油の輸入依存度が4割から3割未満にまで低下したことで、米国のエネルギー安全保障政策、特に中東政策のフリーハンドが拡大するのは間違いない。