トランプ氏は2016年1月に合意が履行された後に撤廃された幅広い制裁の再開を推進するとは見られていない。だが、対象を絞った制裁など、イランに対する新たな懲罰的措置を取ることや、イランで最も有力な強硬派勢力の1つに数えられる革命防衛隊をテロ組織に指定することを検討していると考えられている。

 トランプ氏は先週、イランはテロを支援し、暴力を中東全域に輸出していると批判するとともに、イランによる弾道弾ミサイルプログラムの開発を非難した。

 大統領が核合意の順守を認めなければ、米議会は60日以内に核関連の制裁を再開するかどうか決めなければならない。イランが世界の大国6カ国と調印した合意では、イランは多くの制裁の撤廃と引き換えに核開発を縮小することに同意した。欧州諸国の政府はオバマ政権の代表的な外交政策の成功となった核合意を支持しており、10年以上くすぶり続けた国際危機を鎮静化する方法の模範として称賛した。

 だが、もし核合意の枠組みが存続し、アラブ諸国に対するイランの介入に焦点が移ったら、イランの影響力を抑制するうえで欧州とトランプ政権が同じ立場を取るかもしれない。イランは6年続くシリア内戦でバシャル・アサド大統領を支援するために部隊を派遣しており、レバノンの武装集団ヒズボラを含め、中東各地のシーア派民兵組織を支援している。

 強硬派と改革派は、こうした介入や弾道弾ミサイルプログラムはイランの国家安全保障の利益にとって欠かせないほど重要だと考えており、アナリストらは、政策変更の見込みは薄いと話している。

 だが、イランのアナリストらによれば、政権は核合意を存続させるための時間稼ぎを目指し、これらの問題について議論する意欲があるかもしれない。