ノボシビルスクではイワノフ氏のレストランにお邪魔しないといけない理由がもう1つある。奥様の白浜さんにお会いするためだ。

 モスクワやサンクトペテルブルクと比べ、ノボシビルスクには日本人は少ない。その数少ない日本人の1人が白浜さんである。

 彼女からノボシビルスク地区のニュースを聞いたり、飲食業界の傾向をうかがう。これはシベリアで仕事をする場合、非常に役に立つ。

 白浜さんは、イワノフ氏と結婚される前、日露青年交流センター派遣の日本語講師や日本センターのスタッフをされていて、日本の公的組織との連絡も密である。まさにノボシビルスクの情報の要と言えよう。

 1つ疑問に思っていたのは、白浜さんの存在にもかかわらず、和食業態がイワノフ氏の運営レストランの中にないこと*1

 それをイワノフ氏に聞くと、「時間の問題だよ。 今、モスクワで物件を探している。 見つかれば明日にも和食レストランを始めるよ」とのことであった。

*1=イワノフ氏によると、最近ノボシビルスクに中華風居酒屋を一軒開いたよ、ということで、これは和洋折衷のようである。

 そんなイワノフ氏、白浜さんのカップルが満を持してオープンした和食レストランが、「KU」である。KUとは「喰う」という日本語だ。

 10月のある日、白浜さんをよく知るモスクワ日本センター所長の浜野氏、ジャパンクラブ(日本商工会)事務局長山田氏と共に、早速開店のお祝いに駆けつけた。

 レストランはそのロケーションで顧客の性格が決まり、店の雰囲気が決まっていく。今回、KUが設営された場所、モスクワ・スモレンスカヤという場所は、目の前が1951年に建設されたロシア外務省の巨大な本庁舎になっている。