(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年10月6日付)

ハリケーン直撃のプエルトリコに人道危機の恐れ、知事が迅速な支援訴え

米自治領プエルトリコのトアアルタで、ハリケーン「マリア」により破壊された道路(2017年9月24日撮影)。(c)AFP/Ricardo ARDUENGO〔AFPBB News

 民主党の熱心な支持者であるローレンス・サマーズ元財務長官が、今は共和党支持を自認するドナルド・トランプ大統領を擁護するというのは、度々あることではない。

 だが、先日、米自治領プエルトリコがその機会を用意した。トランプ氏は3日、発行残高が740億ドルにのぼるプエルトリコ債を保有する人は、償還される希望と「おさらば」すべきだという不用意な発言をして米国の市場を仰天させた。当然ながら債権者は狼狽売りに走り、債券価格は急落した。

 ところが、サマーズ氏はこれに喝采を送った。経済学者であり、本紙フィナンシャル・タイムズの寄稿者でもある同氏は、トランプ氏にならってツイッターを使い、トランプ氏は「正しい。プエルトリコの債務は帳消しにすべきだ」とのメッセージを発信したのだ。

 これは一体どういうことなのか、本紙には次のように説明してくれた。「もしこの債務を帳消しにできないのであれば、今日の金融システムは全く機能していないことになる。これよりも棒引きに適した事例は思いつかない」

 この指摘は正しいのだろうか。筆者は、いくつかの条件付きではあるが「正しい」と考える。プエルトリコの債務の背後の計算を見れば、債権者がお金をしっかり取り戻す可能性は、トランプ氏が発言する前からほとんどなかったのは明らかだ。

 そもそも、国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミストをかつて務めたアン・クルーガー氏が、説得力のある報告書で2年前に指摘していたように、プエルトリコの経済には1200億ドルもの債務に対処する力はない。