万一、わが国上空135キロで突然核爆発が起こった場合(下図参照)は、ほぼ日本列島全域の社会インフラを支える電気・通信電子システムが瞬時に機能しなくなる。そうなったら、すべての都市の電力供給は完全に停止し、想像を絶する事態になる。

 食料や生活用品の製造・流通は止まり、行政サービス・交通・運輸・金融・通信などのシステムは麻痺し、医療・介護なども行き届かなくなる。

 人々の自宅では電気はもちろんのこと、水道、ガスも止まり、食事、入浴、トイレの使用もままならず、頼りとなるはずの市役所などの公共機関・施設等の機能も麻痺し、国民生活は大混乱に陥ることになる。

 大量かつ広域に破壊された電気・通信電子システムなどを復旧するには、大量破壊を想定していない通常の故障状態などに備えた現行の復旧要員・資器材では対応困難である。

 もし十分な準備がなければ、復旧には数週間~数年間の長期間を要し、その結果として飢餓および疾病などが発生・蔓延し、大勢の人々が死に至ることも想起される。

 この際、自衛隊、警察、消防をはじめ、救援、復旧、治安維持等の活動にあたるべき各種機関なども、通信連絡や移動の手段を奪われて、効果的な活動ができなくなるであろう。

 北朝鮮によるEMP攻撃は、直接的には人的被害を与えることなく、日米韓の既存のミサイル防衛網を無効化し、国家機能や国民生活を計り知れない困難のどん底に陥れることを意味し、3国は、新たな脅威を前に、ミサイル防衛体制の大幅な見直しを迫られているのである。