衆議院解散、事実上の選挙戦に突入 10月22日投票

衆議院本会議で解散詔書が読み上げられ、拍手する安倍晋三首相(中央、2017年9月28日撮影)。(c)AFP/TOSHIFUMI KITAMURA〔AFPBB News

 北朝鮮の各種ミサイルが日本の上空を飛び、またEEZ(排他的経済水域)内に無警告に着弾して関係者を困惑させている。金正恩朝鮮労働党委員長は電磁パルス(EMP)で国家を機能不全にすると言い、また「核で日本を沈める」とまで豪語する。

 20世紀末からこうした脅威は予測されたが、日本は対処も訓練もしてこなかったので、国民は狼狽えるだけである。今まさに日本は国家存亡の正念場に立っていると言っても過言ではない。

 同時に、憲法9条が日本の安全を保証してくれないことが明確になった。この現実を国民に問うために安倍晋三首相は解散・総選挙を決意した。

 ところが小池百合子都知事が代表となって「希望の党」を解散の数時間前に立ち上げ、政権選択を迫る姿勢を打ち出した。

 そのために、新党の話題やファッション的なイメージが飛び交う劇場型の選挙に堕し、日本の安全論戦が疎かになる危惧がある。

政策はどうでもいい議員たち?

 民進党は2年前の安保法案に反対し、成立後は「戦争法」として廃案を求めてきたし、テロ等防止法にも反対してきた。その民進党から安保法制を認める希望の党に100人を超える元議員が移籍した。

 民進党の前身である民主党は、政権担当時に海上自衛隊のインド洋派遣を中止し、普天間基地移転の合意を見直し、日韓併合百年の謝罪談話を出すなど、日本の安全と国際社会における信頼度を低下させるようなことを行なってきた。

 日本国家のあるべき姿、そのために政党として政治家としてやるべきことは何かということではなく、「自民党政権がやってきたことに反対」「安倍政権に任せるわけにはいかない」といった低次元の発想からの行動でしかなかった。

 国民から集めた政党助成金を使う政治家でありながら、日本の安全や国民の福利を考えることもなく、ただ「政治によって生かされる」政治屋(M・ヴェーバー)という「烏合の衆」でしかなかった議員たちが民進党には多かった。

 希望の党の代表の人となりはともかく、理念も政策も判明しないうちから、さしたる議論もなく民進党の全員が新党に吸収されることを前原誠司代表に一任すること自体がそもそも異常である。