ただ、このリチウムイオン電池は、正極材にどんなリチウム酸化物を使うかによって性能が大きく変わってきます。主な原材料をいくつか挙げると、「コバルト酸リチウム」「ニッケル酸リチウム」などがあり、それぞれ「コバルト系」「ニッケル系」などと呼んで区別されています。

 なぜ電池の種類が分かれているのかというと、どの電池も性能に一長一短があり、「正解」がまだ定まっていないからです。

 電池の性能の要素を大きく分けると、充電量を左右する「エネルギー密度」、発火や爆発に対する「安全性」、「コスト」、「生産技術」という4つがあります。これらをすべて満たす電池が理想的なのですが、“エネルギー密度は高いけれど安全性で課題がある”(ニッケル系)、“コストは低いがエネルギー密度が低い”(リン酸鉄系)など、全方面で優れたリチウムイオン電池はまだ存在していません。そのため、電池メーカー、自動車メーカー各社の間で、生産、採用するリチウムイオン電池種類が異なっているというわけです(下の表を参照)。

車載電池の主な種類
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 今後の技術革新によって、主流となる種類が絞られてくる可能性はあります。しかし現状では、各社の戦略によって採用される車載用のリチウム電池種類はバラバラです。逆を言えば、今後、どの種類が優勢となってくるかが、これからの車載電池市場を占う上で非常に重要となってきます。

2年連続で3ケタ成長した中国の車載電池市場

 それでは、本題となる中国の車載電池市場について、まずマクロデータから見ていきましょう。

中国の車載電池市場規模の推移(2011~2016年)