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イノベーション
2017.10.12

アマゾンの「ゼロクリック」は壮大な社会実験だ
IoT時代、<ショッピング体験>が変わる

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 アマゾン・エコーのような音声AIによる「ゼロクリック」ショッピング体験こそが、実はIoTビジネスの主要な一部に他ならない。

 またそれゆえ、事業者としてのアマゾンは単なる効率性や利便性を超えて、「ゼロクリック」シッピングを通じてお客さまの成長実感(=お客さまの成果)につながるような、「インスパイヤー」や「エンパワー」といった価値を提供して行く必要があるだろう。

 それは人間の持つ「生理学的」な側面や「経済学的」な側面だけでなく、「社会学的」な側面や「認知心理学的」な側面まで目配りしたキメの細かいサービスを提供し、「期待や想像を超えたディライトな体験」を(時には)創出することを意味する。

 私たち日本人的な感覚では、ビッグデータの解析や近未来の改善提案の大まかなところまではAIに任せて、お客さまと企業との接点の最後の1マイルは人間の手を加えて(つまり戦略的にAIと人間が分業して)、完璧なサービスとしたい、と考えがちである。

 しかしながら、アマゾンは「ゼロクリック」ショッピング体験のプロセスに人間の感性を差し挟むつもりは毛頭ないようだ。

「アマゾンは失敗を許容する文化がある。挑戦することを恐れる必要がない」
(アマゾン・デジタルビデオのティム・レスリー氏:出典『日経ビジネス』2017.10.02号)。

 だとすれば、私たち人間のサイドでは、音声AI・アレクサの機械学習がある一定のレベルに達するまでは、「ゼロクリック」ショッピング体験はペインポイント(イライラやガッカリの体験)を抱えた、いささか問題の多いカスタマージャーニーであることを覚悟しておく必要がある。

「ゼロクリック」ショッピング体験の未来予想図は、われわれの買い物体験に「破壊的イノベーション」をもたらすことは間違いない。

 同時に、それはAIが歴史上初めて、日常生活の拠点であるリビングルームに深く入り込み、人間の「体験」そのものを根本から変えていく「ブロック・バスター」(象徴的な大事件)であることにも留意するべきだろう。

 アマゾン・エコーをはじめとする音声AIスピーカーの急速な普及と「ゼロクリック」ショッピング体験の拡大は、生身の人間とロボットであるAIの付き合い方(双方向の建設的なコミュニケーション)を模索する、壮大な社会実験に他ならないのである。

 AIはどこまでお客さまの気持ちの変化に常に寄り添い、お客さまに豊かな「ゼロクリック」ショッピング体験を提供し続けることができるのだろうか?

JBPRESS

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