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イノベーション
2017.10.12

アマゾンの「ゼロクリック」は壮大な社会実験だ
IoT時代、<ショッピング体験>が変わる

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 グーグルの手がけるネット通販宅配サービス「グーグル・エクスプレス」にウォルマートが数十万点とも言われる商品を提供、グーグルの対話型AIを搭載したスピーカー「グーグルホーム」(2016年発売)やアンドロイドのスマートフォンに話しかけるだけで商品を注文できるようになるのだという*1

*1:グーグルホームは日本でも2017年10月6日に発売が発表されたが「ゼロクリック」ショッピングには対応していない。

 お客さまが希望すれば、ウォルマートは自社の通販サイトに登録した情報や店舗での購買履歴もグーグルに提供すると言われている。

 AIがこのデータを学習することで、お客さまの嗜好や価値観についての理解を深め、お客さまのショッピングがよりスムーズになったり、AIから買うべき商品のリコメンドを受けたりということが今後可能になることが期待されるものの、アマゾンに比べると「出遅れ感」は否めない。

 グーグルとしては、アマゾンとの2年間のタイムラグを解消し、グーグルホームを中核とした生態系(エコシステム)を早急に構築する必要があるだろう。

 もうひとつのグローバル・キープレーヤーのアップルの動向はどうか。

 アップルは、音声AI・Siriを搭載したホームポッドを2017年12月に発売することを表明している。しかしながら記者発表の内容を見る限りでは、そのスペックは音楽に特化したスマートスピーカーであり、iTunesやiPodとの親和性に軸足を置いたもののようだ。アマゾンとは土俵を変え、ニッチで生き残りを賭ける戦術のようにも見える。

 また、日本のメーカーも2017年の秋から年末にかけて、対話型音声スピーカーを次々に投入してくる。AIの日本語化の障壁があり、その多くが欧米での先行発売だ。

 今年の9月初旬にドイツのベルリンで開かれた家電見本市「IFA 2017」に合わせて、ソニーとパナソニックは現地で新製品をお披露目している。ソニーもパナソニックも当面、搭載するAIはグーグル製だという。「スマホの二の舞」が我が身に降りかかるリスクを背負ってまで、1日も早い市場導入を目指していることが透けて見える。(ソニーのLF-S50Gは手のジェスチャーでも操作が可能、という付加価値で差別化を図って行く狙いのようだ)

 国産のその他メーカーでは、オンキョーと東芝がアマゾンのアレクサを搭載した製品を市場導入する(東芝は日本語版では独自開発のAIを搭載する意気込みのようだが・・・)ことが近日、発表された。ドコモ、シャープ、LINE*2も参入が噂されているが、これらは独自開発のAIが搭載されるだろうと言われている。

*2:LINEは2017年10月5日に正式版ウェーブの発売をリリースした。

 いずれにしろ、ここしばらくはアマゾン・エコーが音声AIによる「ゼロクリック」のマーケットを先導するだろう。そして、グーグルを含む2番手以下の企業が自らの生き残りをかけ、競争優位がキープできるポジショニングを模索しながら、差別化のための価値提案を行うという構図が描けるはずだ。

破壊的イノベーションは「新しい体験(習慣)」を創造する

 話をアマゾン・エコーに戻そう。

 エコー・ドット(2nd Generation)のユーザーレビューを見ると、レビューの件数は5万3839件、評価ポイントは5点満点中の4.3点、全体の67%が5点満点をつけていて、お客さまからの反応も評価も上々のようだ(2017年9月末現在)。

JBPRESS

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