スリランカは経済規模が小規模であることに加え、人口が約2100万人と、隣接する大国であるインドの陰に隠れることが多かった。

 しかし、人口規模は大きく異なるが1人あたりGDPではインドネシアを上回っている。また、同じ島国ではあるものの、多数の島で構成されるインドネシアとは異なり、セイロン島にすべてが集中したコンパクトな国土を形成している。

 スリランカでは1980年代以降、シンハラ人(仏教徒が主)とタミル人(ヒンドゥー教徒が主)の間で内戦が行われていたため、日本企業が注目することは少なかった。だが、2009年に内戦が終結してからは安定した経済成長を続けており、高速道路や空港などのインフラ整備が進められている。

 スリランカを消費市場として捉える際のキーワードは以下の3つである。

(1)人口約2100万人が北海道の80%の面積の国土に濃縮された市場
(2)3次産業(観光)が発達しており、個人経済力が高い市場
(3)仏教国であり親日的な国民性

 B2Cビジネスにおいて消費市場を取込む場合、販路開拓が重要となる。上記のとおり、限られた国土面積に、豊かな人々が集中しており、効率的な市場開拓が望める。この点は、広大な国土を有するインド市場や中国市場、島嶼国家であるインドネシア市場(実態は”ジャカルタ首都圏市場”)において苦戦した企業にとって魅力的であろう。

 また、タイと同じく上座部仏教を奉じており、日本人にとっての違和感も少ない。地理的にはASEAN地域と中東・アフリカとの中間に位置しており、それらの国々への進出を見据えてスリランカを位置付けることも可能だ。

 既進出国ビジネスの再成長に限らず、これまで見過ごしてきた/気づかなかった進出有望先が依然として世界には残されている。これまでとは異なる目線から、海外ビジネスを見直して新たな成長を図る時期にさしかかっている。