キャリアの選択肢は多いほうがいい(写真はイメージ)

 あなたは由伸型だろうか、それともイチロー型だろうか?

 読売巨人軍の監督を務める高橋由伸氏は、入団してから20年間巨人一筋。彼は野球選手という職種は変わっていないし、所属する球団も変わっていない。ただしレフト、ライト、センター、ファーストなどチーム事情などによってポジションや打順は変わり、現在は監督を務めている。

 これは、新卒で入社して数年ごとに営業、総務、人事等、様々な部署や職種(ポジション)を経て管理職へと上がって行く従来型の日本企業でのキャリアアップの典型だろう。

 一方、高橋由伸氏と同世代のイチロー選手は新卒で日本のオリックスに9年間所属した後、メジャーリーグに移籍した。マリナーズ → ヤンキース → マーリンズと移籍したが、彼の職業も一貫して野球選手であり、着実にキャリアップしている。

 私の場合、日本テレビ入社直後は報道局に配属され、記者を経験した。3年目に宣伝部に異動になり「進め!電波少年」「伊東家の食卓」「劇空間プロ野球」「箱根駅伝」といった番組の番宣活動に携わった。以降、アップル、MTV、マクドナルド、mixi、世界の医療団で戦略PRの仕事に関わってきた。会社(球団)は変わったが、戦略PR(野球)という職種は一貫している。そういう意味では、私はイチロー型である。

 イチロー型と由伸型、どちらがいい悪いということではない。それぞれがキャリアアップの形なのである。