戦略PRという枠組みの中でいかに他者との差別化を狙うかを考えた時、様々な業種を経験していることが私の強みとなっている。日テレ(マスコミ)、アップル(IT)、MTV(音楽)、マクドナルド(食品)、mixi(SNS)、世界の医療団(NGO)・・・。業種だけでなく日本企業も外資系も経験しており、さらに取材する側と取材される側、マスメディアとデジタルメディア、スポンサー企業とメディア企業、民間企業とNGO等、それぞれの立場や考え方が直感的に分かり、企業間や異業種間の橋渡しができる。

 また、世界の医療団のようなNGO(非営利団体)で働いたことも大きい。世界の医療団では、低予算の中でいかに社会貢献に向けて最大のレバレッジを効かすかを考えた。この経験も私の強みである。

 つまり、「好きなこと」「自分にしかできないこと」「社会に役立つこと」──この3つの軸が合わせ技になっていることが、私の戦略PRのプロとしての強みだと言える。

 先が見えない不確実な時代では、未来の選択肢が1つしかないより、常にいくつかの選択肢があったほうが生きやすい。皆さんも、3つの軸が交差する“武器”や“得意分野”があれば、その選択の幅はぐっと広がるはずである。

いま転職すべきか?サンクコストを見極めて考える

 私は、キャリア関連のコラムを連載したり、企業ブランドの構築や採用広報の案件に関わることが多いことから、転職を考えている人からよく相談を受ける。その際、本人が迷っている場合は今の会社に残るようお勧めしている。

 なぜかというと、会社を辞めて成功する人は、大抵の場合、他人に相談するまでもなく自分の意思で独立や転職するためにすでに動き始めている人だからである。