(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年9月21日付)

核兵器禁止条約、51か国・地域が署名 核保有国や日本は不参加

米ニューヨークの国連本部で、核兵器禁止条約の署名式に出席した南アフリカのジェイコブ・ズマ大統領(2017年9月20日撮影)。(c)AFP/DON EMMERT〔AFPBB News

 ジェイコブ・ズマ大統領がお粗末な政治をしている南アフリカ共和国では、企業の評判など簡単に損なわれる。そんなことは天才でなくても分かるし、KPMGやマッキンゼーのような世界を股にかけるコンサルティング会社なら、それを見抜く分析力は備わっているはずだ。

 確かに、両社は英国のPR会社ベル・ポッティンガーほど鈍感ではなかった。ズマ氏の後援者であるグプタ家の持ち株会社のために、人種間の分断を助長するキャンペーンを仕掛けた後、経営が破綻して会社再建手続きに入ったあの会社とは違うということだ。

 だが、ズマ氏の政治がひどいこと、そしてその政治が身内びいきや汚職へと悲劇的な堕落を遂げていることにより、KPMGもマッキンゼーも自らの看板を汚してしまっている。

 KPMGはグプタ系企業の監査を数多く手がけており、現地の幹部8人が9月半ば、判断を誤ったことを認めて辞任した。マッキンゼーは国営電力会社エスコムに食い込み、非常に大きな利益が得られる契約を獲得したが、その契約にはグプタ家とつながりのあるコンサルティング会社と一緒に働くことが盛り込まれていた。

 マッキンゼーはまだ、不適切な振る舞いはしていないと主張しており、何とか言い逃れようと躍起になっている。この綱渡りの自己弁護をいつまで続けられるか、筆者は関心を持って見守っている。

 南アフリカでのデュー・ディリジェンス(相応な注意を払う義務)について、簡単な指針を1つご紹介しよう。グプタ家とズマ家、そしてこの2つの一族の影響下にある国有企業とは一切かかわらないようにする、というのがそれだ。ほかの会計事務所やコンサルティング会社は、大統領一派による「国家収奪*1」について日々報告を受け、目を光らせていた。金銭的な誘惑に耐えることもできた。

*1=個人や企業が、自分に利益をもたらす法律を作らせようと政治家にはたらきかけること。ステート・キャプチャー。