(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年9月25日付)

独下院選で与党勝利、メルケル首相4選へ 新興極右が第3党に

ドイツ連邦議会(下院)総選挙の出口調査結果が発表され、支持者らを前に演説するキリスト教民主同盟(CDU)党首のアンゲラ・メルケル首相(中央、2017年9月24日撮影)。(c)AFP/Odd ANDERSEN〔AFPBB News

 ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、今回の選挙戦は自身の長いキャリアの中で最も「困難」なものになると予想していた。結局、保守系与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)はマーティン・シュルツ氏の率いる社会民主党(SPD)に明確な差をつけて勝利した。ただし、この勝利には代償が伴った。

 ドイツ最大の主流政党はどちらも支持率を落とした。有権者が大挙してポピュリスト政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に流れたためで、同党はナチス以来初めて、議会で大きな存在感を持つ右翼政党になった。

 「国民の母」を前面に打ち出すアプローチでベテラン首相のメルケル氏は4期目を勝ち取ったものの、記憶に残る選挙戦のイメージは、首相の集会でヤジを飛ばした怒れるAfD支持者の様子だ。数こそ少ないものの、AfDの議会入りはドイツの政治に辛辣なトーンを持ち込み、ベルリンに新時代の到来を告げた。

 総選挙での勝利を受け、メルケル氏はAfDに対応するという大変な難題に直面することになった。AfDは、2015~16年の難民危機へのメルケル氏の対応と、イスラム教徒を中心とした100万人以上の難民流入への国民の怒りを利用して勢力を伸ばした。

 一方で、メルケル氏は落胆した保守勢力を立て直すとともに、SPDが下野を表明した後、微妙な状況の中で新政権を樹立しなければならない。メルケル氏は十中八九、緑の党とリベラル派の自由民主党(FDP)と組むドイツ初の3党連立を模索せざるを得なくなるだろう。

 首相はさらに、北朝鮮問題からドナルド・トランプ米大統領の暴言、エマニュエル・マクロン仏大統領の物議をかもすユーロ圏改革計画まで、差し迫った国際問題にも直面している。