(英エコノミスト誌 2017年9月16日号)

中国の習主席、党に忠実な「世界一流」の軍隊が必要

香港で、中国人民解放軍の兵士を閲兵する習近平国家主席(2017年6月30日撮影、資料写真)。(c)AFP/DALE DE LA REY〔AFPBB News

すべては習近平主席のおかげ

 中国ではここ数日、東北部の郵便局員から南西部の税務調査担当職員まで、全国の政府職員がそれぞれの職場に集められ、国営テレビ局の番組を視聴させられていた。

 プロパガンダ(宣伝工作)を学習せよとの命令が共産党から官僚に発せられることは珍しくないが、今回必修とされた番組は、国内政治や経済発展といったいつものテーマとは違っていた。中国がグローバルな大国として台頭していることと、その状況をもたらすにあたって習近平氏が果たしている役割とに焦点を当てたものなのだ。

 国営テレビ局は6回シリーズ(1回45分間)のこの番組を8月の終わりから9月の初めにかけて、いわゆるゴールデンタイムに放送した。中国語のタイトルは「大国外交」。英語に訳せば「グレート・パワー・ディプロマシー」となりそうだが、一部の国営メディアは、これよりも少し穏当な響きのある「メジャー・カントリー・ディプロマシー」という訳を選択している。

 中国が外国への影響力を強めていることをいかに表現するべきかという問いは、プロパガンダの担当者にとって長らく悩みのタネだった。2003年には「平和的台頭」という表現で落ち着いたように見えたが、ほんの数カ月でこれを取りやめ、「平和的発展」に切り替えた。「台頭(英訳は「ライズ」)」では諸外国に警戒される恐れがある、と考えたからだ。

 しかし今回の番組では、習氏の下での外交政策の成功とされるものや、そこにおける習氏個人の関与の描き方に、そのような遠慮はみじんも感じられない。共産党宣伝部の助力も得て制作された番組には、中国人と外国人が同じように習氏におもねり、発した言葉がちりばめられている。