(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年9月13日付)

「さらばスペイン」 カタルーニャ独立派、住民投票前に大規模デモ

「カタルーニャの日」(ラ・ディアダ)に合わせ、スペイン・バルセロナで行われたカタルーニャ州独立を訴えるデモで、アスタラーダ(カタルーニャ独立旗)を掲げる参加者ら(2017年9月11日撮影)。(c)AFP/LLUIS GENE〔AFPBB News

 スペイン内戦(1936~39年)後にフランシスコ・フランコが打ち立てた独裁体制が終わって間もない1977年、スペインのバルセロナでは、そのフランコによって奪われたカタルーニャの自治の回復を求め、約100万人が参加する大行進が行われた。党派を超えた連帯が晴れやかに示され、スペインの民主主義への移行をけん引する合意の形成でカタルーニャが主導的な役割を担っていくことがうかがえる催しだった。しかし、それからちょうど40年の月日が流れた今日、状況は様変わりしている。

 9月11日は「ディアダ」という、カタルーニャ州にとって重要な祝日だ。今年のディアダにバルセロナ市街を埋め尽くしたのは、同州のスペインからの独立を求める分離主義者たちだった。2012年以降は毎年、この光景が繰り返されている。リーダーにしっかり監督されている行進で、窓ガラス1枚割れたことがない。だが、フランコ体制後のスペインの民主的な秩序を脅かしているのは彼らにほかならない。

 スペインでは長らく、バスク州の分離独立を主張する「バスク祖国と自由(ETA)」によるテロ活動(現在は収束)の方が、国にとって大きな脅威だと考えられてきた。しかし、学者たちからマイノリティー・ナショナリズムの1つのモデルだと持ち上げられているカタルーニャ州は、複数民族を受容するかつてのスペインの姿勢から抜け出した。分離主義の過激派がカタルーニャ州自治政府の要職に就き、カタルーニャ系スペイン人のナショナリズムに再び火をつけ、カタルーニャ州のみならずスペイン全土で左派の仲たがいを引き起こしているのだ。

 カタルーニャ自治州政府を支配する分離主義者は、州議会では小差で多数派を形成しており、独立の是非を問う住民投票を10月1日に断行すると公約している。投票率に関係なく、独立賛成票の方が多ければ、その結果は拘束力を持つと主張している。

 一方、マリアノ・ラホイ首相率いる中道右派政権の要請を受けたスペインの憲法裁判所は、この住民投票は1978年発布の憲法に反しているとの見解を示している。住民投票の実施を禁じ、これを共謀した者は全員起訴するという揺さぶりもかけている。そのため、スペインのみならずカタルーニャでも世論は割れてしまっている。