(5)モニター・デジタルサイネージの活用による重要情報の見せる化

 大多数の会社では、多岐にわたる情報を従業員に通知、あるいは周知・徹底するため、グループウエア等の掲示板機能、ポータル機能を用いて情報を発信している。

 しかし、従業員は発信側が考えているほど通知文書は見ていないのが実態だ。理由は、従業員が自ら見に行く「プル型」の通知になっているからだ。そのため、特に重要な情報については、既存のツールに加えて積極的にプッシュし「見せる回数」を増やすことが重要である。人の意識・認知度は何回プッシュされたかに大きく比例する。

(6)社内SNSの活用、バーチャルコラボレーションの促進

 機能別組織が主流の企業は、オフィスでのリアルコミュニケーションには限界がある。さりとて既存の情報共有ツール、グループウエア等のデータベースでは古い情報カテゴリー区分で格納された情報しか検索・認知することができない。

 したがって今後は、情報を認知・発信している人同士のつながりで情報を共有したり、バーチャルで情報を再加工できる仕組みが同時に求められる。

 そのための有効ツールが社内SNSだ。社内SNSによって、発信情報単位での人のコラボレーション・共感、バーチャルでの情報共有・再加工の促進を図る。

(7)テレビ会議の高度化

 最終的には、これらの機器・ファシリティを活用したオフィス同士が遠隔で連携・コラボレーションできるオフィスづくりが求められる。

 電話会議や古いテレビ会議システムでは一方的な情報通知に留まるため、常時接続ができ、かつ顔色・人のテンション・空気感まで伝えられるバーチャルコミュニケーションツールが望ましい。

 以上の内容が、“新しいワークスペースづくり”要件の検討・まとめの参考になれば幸いである。