さらに、在宅勤務を支援するWebカメラ、勤怠管理・時間管理の仕掛け、労務管理のためのパソコン起動ログ可視化など、テレワークを支援するICTツール・ソフトウエアも充実している。

 これら「制度の見直し」「働く環境の見直し」にセットで取り組み、柔軟な働き方を実現・拡大することが求められる。

「職場に来ないとできない仕事」は何か

 ワークスペース検討の場では、「そもそも何のために職場・オフィスで働くのか?」についても同時に考え直す必要がある。「時間制約・場所制約」をなくすツールや制度を用いると、「個人でできる仕事」や単純な「処理」作業はどこでも可能になるからだ。

 したがって今後は、「規定の情報を取り扱う、処理する」といった職場・オフィスでの従来の仕事ではなく、「職場・オフィスに来ないとできないこと」に焦点を当てて、高度化、高性能化することが求められる。

 その代表例が「情報共有の場ややり方」、異なる人や情報同士を組み合わせ、情報を加工することで、新しく有益な情報を生み出す行為だ。現在、求められているのは、既存の情報をベースに事業を運営したり、商品やサービスを開発することではない。多様な人材集団によるコラボレーション、新しい知・情報の交流、クリエイティブワーキング・創造行為の実現こそが求められている。

 したがって、情報共有手段の代表である会議も含め、情報共有に関わる器・ファシリティ類も効率と効果を最大に高められるよう支援し、そこに着目して「環境を大きく変える」ことを考える必要がある。

環境を大きく変える7つのアイデア

 その実現のためのキーワードを、ハード面・ソフト面合わせていくつか挙げておこう。

(1)会議室の見える化、オフィスの壁を無くす

 会議室は機密情報を扱うことを前提にして、原則として中が見えない部屋が求められる。だが、全ての会議がそのような情報を扱っているとは限らないし、もっとオープンにできる余地が大きい。