(英エコノミスト誌 2017年9月9日号)

メルケル独首相、トルコのEU加盟交渉打ち切り提案へ

ドイツ西部ルートウィヒスハーフェンで自ら率いるキリスト教民主同盟(CDU)の選挙集会で演説するアンゲラ・メルケル首相(2017年8月30日撮影)。(c)AFP/dpa/Uwe Anspach〔AFPBB News

アンゲラ・メルケル氏が総選挙での勝利に値するのはなぜか。そして(ほぼ決まりの)4期目に、もっと大胆にならねばならない理由とは。

 数多くいるファンにとって、アンゲラ・メルケル氏はドナルド・トランプ氏やウラジーミル・プーチン氏に立ち向かい、ドイツに押し寄せる難民に寛大にも門戸を開いた英雄だ。その他の人々にとっては、移民問題でろくに考えもせずにギャンブルに出たことで(トランプ氏のかつての発言を借りれば)「ドイツを滅ぼし」、緊縮財政の方針で南欧を荒廃させた張本人だ。 

 真実に近いのはファンの方だ。実際、ドイツはメルケル氏のリーダーシップの下で本当にうまくやって来たし、彼女の手堅い手腕のおかげで世界も以前より良い状況になっている。

 だが、これまでに務めた3期では、ドイツが将来に備えるための仕事はまだ十分にできていない。長年首相の座にあって十分すぎるほど立派な功績を残したという評価を得るには、これから始まる4期目を、ドイツに変化をもたらすために使わなければならない。

乱気流の時代に手堅い手腕を発揮

 9月24日投票のドイツ連邦議会(下院)選挙での勝利に向けて、メルケル氏とキリスト教民主同盟(CDU)が順調に歩みを進めていることは、ほとんど疑う余地がない。これは、ライバルのドイツ社会民主党(SPD)を率いるマルティン・シュルツ氏が精彩を欠いているためでもある。

 SPDの国内政策には同党らしい特徴がなく、シュルツ氏の外交政策には成功の見込みがほとんどない。首相を窮地に追い込むこともできていない。9月3日に行われたテレビ討論会は、双方の主張のぶつかり合いと言うよりは、新たな「大連立」に向けた交渉のようだった。

 しかし、CDUの勝利が目前であることは、メルケル氏が首相に就任した2005年以降にドイツが大いに栄えたことの反映でもある。