何とか間に合った「平和安全法制」が日本を救う

 平和安全法制の果たす役割は、外国の緊急事態における法人等の保護措置だけではない。

 平和安全法制は、既存の法律の一部改正を束ねた「平和安全法制整備法」と新規に制定された国際平和支援法の2法、計11法から構成されているため、広く国民の間に理解が浸透しなかった嫌いがあるのも事実である。

 そのうち、朝鮮半島危機あるいは有事を考えた場合、特に重要な法律は、まず「事態対処法」であり、「武力攻撃事態等」に「存立危機事態」を加え、限定的ながら集団的自衛権の行使を可能にしたこと。

 そして、「周辺事態安全確保法」を改正して「重要影響事態安全確保法」とし、重要影響事態に対処する外国軍隊等に対して、(1)後方支援活動、(2)捜索救助活動、(3)船舶検査活動、(4)その他の重要影響事態に対応するための必要な措置を講ずることができるようにしたことである。

 前者は、米国との集団的自衛、すなわち相互防衛を可能ならしめ、後者は、例えば朝鮮半島有事や台湾有事などに際して、韓国軍や台湾軍などを支援する可能性を担保したことに大きな意義がある。

 これらの法的裏づけがあるからこそ、北朝鮮発の「差し迫った眼前の脅威」、「これまでにない深刻かつ重大な脅威」に対処するに当たり、日米および日韓の相互信頼が深まり、3か国が緊密に連携して対処する強固な協力関係の構築が促され、脅威の現実化を抑止することを目的として「異次元の圧力」を掛けるとの合意ができたのである。

 「戦争法案」や「憲法違反」であると「印象操作」され、難産の末にようやく成立した平和安全法制が、何とか朝鮮半島危機事態に間に合い、日本を救おうとしている。「治にいて乱を忘れず」とは、まさにこのようなことを言うのであろう。